自然を生かした天然染めの商品開発を行う中学生は、古来より高貴で美しい染め物とされていた紅花染めに光を当てて探求を続けています。天然染めの専門家である「手染メ屋」店主の青木正明氏に来校いただき、試作品についての検討会を行いました。専門家の方から「何度も挑戦し、失敗を繰り返す中で、これだと思うデザインに出会える」とアドバイスをいただきました。そして、2学期はサンプル商品を何度も作りました。布のたたみ方やたたむ回数、染料に漬けておく時間など、試行錯誤を繰り返しました。できあがったサンプル商品は、11月に行われた近畿へき地研究大会のお土産として、来校された方々にお渡ししました。

11月、本校で開催された近畿へき地研究大会で、来校されたへき地教員の方を前にサンプル商品のPR活動を行いました。「学校を守りたい・地域を守りたい」このような想いから始まったKCLプロジェクト。その活動を進める中で出会った「紅花」。美しい赤色を表現できることや、天然染料が再び注目を集めていることなど、特設ブースにてご当地商品の可能性を存分にアピールすることができました。商品開発もいよいよ大詰めです。

私たちは紅花と出会い、美しい赤色に惹かれ、伝統的な天然染めで名物を開発したいという想いを持って商品開発を進めてきました。同時に、江戸時代に栽培が盛んだった、紅花の本場「山形の紅花」を使いたいという思いが強くなっていきました。山形から資料を取り寄せ学習を深めました。紅花の他に、比叡山延暦寺や近江商人など、古くから滋賀県とのつながりがあったことを学びました。江戸時代、鯖街道を通じて繋がっていた山形と葛川を、私たちのプロダクト開発で、再び繋げていきたいと考えています。葛川・久多の魅力を伝えることができる商品の完成を目指して、引き続き行動していきたいと思います。

筏師〈いかだし〉に思いを寄せる
情報発信で文部科学大臣賞