僕たちは水文化を通して地域の魅力や課題を発信します。古来より、筏師は地域で育った木々を筏に組んで街まで運んでいました。僕たちは、かつて筏師が地域の資源を街に運んだように、この地域の水文化、魅力、課題をこの地域の外に運びたいと思っています。2020年秋、僕たちの作った筏を安曇川本流に流しました。僕たちは、この筏流しの再現の撮影を、写真家でおられる宮田清彦さんに依頼しました。また、後輩たちはシコブチ信仰に登場する「ガワタロウ」のキャラクター開発を行っています。現在、「筏流し」や「シコブチ信仰」といったこの地域の水文化を発信するポスターを制作しています。

ポスターには、シコブチ信仰やイカダ流しといった安曇川流域の豊かな水文化を表現するとともに、児童生徒の声を反映させるための工夫をしました。ポスター制作には、広告戦略のお仕事に従事されていたボランティアの方や、グラフィックデザイナー、イラストレーターが関わってくださいました。ポスターの企画会議では、何のために、誰に向けたポスターなのか深掘して考え、キャッチコピーやデザインを検討しました。本校は山間の学校で、街に出たり来校してもらったりしてリアルな会議を持ちにくいところ、オンラインのZoom会議で場を設定することで、ポスター制作を進めることができました。

ボランティアに従事する中高生を応援するボランティア支援プログラム「第24回SOCボランティアスピリットアワード」において、イカダ流しの再現に取り組む僕たち、KCLプロジェクト/カルチャークルーは関西ブロック代表に選ばれ全国表彰式に参加しました。全国表彰式はオンラインで開催され、招待された中高生40組のなかから、金賞の文部科学大臣賞2組と、スピリットオブコミュニティ奨励賞8組が発表されました。KCLプロジェクト/カルチャークルーは、スピリットオブコミュニティ奨励賞に輝き、クリスタルトロフィと活動支援金をいただきました。来年度の活動に繋げたいです。

天然染めでつながる思い、広がる人の輪
ガチャで伝統・自然の魅力を発信