琵琶湖へ流れ込む安曇川流域には、「シコブチ」と名の付く神社が無数に点在している。古来、人々は山で木を切り倒し、それを筏(いかだ)に組んで街まで運んでいた。あるとき、一組の親子が筏を流していた。後にシコブッツァンと呼ばれる男と、その息子である。と、シコブッツァンの筏が大きな岩に当たると息子の姿がない。あわてて辺りを見渡すと、一匹のガワタロウ(カッパ)が息子を抱きかかえるようにして水の中に潜んでいた。
シコブッツァンは息子を救い、ガワタロウを捕え、これからはどんなことがあろうと人に一切害を加えないことを誓わせて放してやった。その時ガワタロウが誓いのしるしとして近くの杉の小枝を一本逆さにして地面に突き挿し、その下に祠を建ててシコブチ神を祀った。子供をさらうカッパを退治してシコブッツァンは集落の人から称えられて神様としてあちこちに祀られた。このお話は、「シコブチ伝説」と呼ばれ、今もなお語り継がれている。
地域に伝わるカッパ伝説を、中学生の脚本監督のもと初の実写映画化。一夏かけて、短編映画を制作しました。千年の時を超えた歴史スペクタクル。笑って泣ける、ちょっぴり怖いヒューマンホラーコメディがついに完成。映画「シコブッツァン」に関心のある方がおられましたら、問い合わせフォームよりご連絡ください。