夏休みに入ると窯の移設に引き続き取り組み、窯の組み立てが完成しました。温度をあげやすくするために、駐車場に仮置きしたものより、煙突を約1mのばしました。煙突がのびるにつれ、地面との平行をとったり、まっすぐにのばしたりするのが難しく、大変でした。時間がかかりましたが、無事完成してよかったです。
夏休み後半には、粘土で作品作りをしました。私たちは、先輩方が考案したオリジナルキャラクターの「ガワタロウ」を一人ひとつずつ作成しました。一人ひとりが、夏休み中にオリジナルのガワタロウを考え、個性のあるガワタロウを作ることができました。
私たちの活動を知ってもらうために、ボランティアスピリットアワードに応募しました。結果は、コミュニティ賞でした。私たちの活動を全国でボランティア活動に取り組む中学生・高校生に知ってもらえてよかったです。また、私たちの活動の成果の1つとして、コミュニティ賞を受賞し、形に残るものにできてよかったです。
9月26日に、オリジナルのガワタロウと小4が作った作品の素焼きを行いました。素焼きは、急激な温度浄書で作品が割れないように、1時間で100度ずつゆっくり上げていきました。清水さんの協力もあり順調に進めることができました。次の日に、作品を取り出してみると、少しひび割れや部品がとれているものもありましたが、大きな破損もなく無事に焼き上げられました。
10月1日にガワタロウに釉薬を塗りました。清水さんに用意していただいた釉薬と、自分たちが春に準備した釉薬の2種類を用いて、艶を出したい部分に工夫して塗りました。
10月25日に、本焼きを行いました。朝7時から火を入れ始めました。午前中は順調に温度を上げることができました。午後には、1000℃に到達しましたが、1100℃を超えたあたりから温度がなかなか上がらなくなりました。それでも諦めずに、薪を入れ続けると、20時頃に、ようやく目標であった1200℃に到達することができました。1200℃に達した瞬間の喜びは、今でも忘れられません。その後、21時まで火を入れ続け、21時半ごろに火を消し片付けを済ませて長かった1日が終了しました。
活動の途中のお楽しみの時間には、窯の余熱を使って色々な料理をして楽しみました。マシュマロや焼き芋を焼いて食べるととても美味しかったです。また、先生がラーメンを作って、振舞ってくれました。夕方過ぎの冷えてきたときに食べるラーメンは最高でした。1日を通して、とても思い出に残るものになりました。
10月28日に作品を取り出しました。結果は大成功で、大きな破損もなく、釉薬も溶けて、作品に艶を出すことができました。試し焼きでは、達成できなかったことが実現できてとても良かったです。
2学期には、作品づくりと並行して、窯を雨風から凌げるように、屋根作りに取り掛かりました。初めに、屋根の設計図を書きました。その設計図を、素焼きの日に清水さんに見ていただきました。そして、9月30日に松井建設の梅本さんに来校していただき、屋根の構想について話をしました。設計図を見せながら、私たちの想いを説明しました。梅本さんからは、建築の視点から色々な意見をいただきました。梅本さんの意見を参考にして、屋根の設計図に修正を加えました。
その設計図をもとに、11月7日と8日に松井建設さんと一緒に屋根作りをしました。屋根には、安曇川の流域材を使用しました。私たちはビス打ちをしました。地域の資源を使用して完成した屋根は、とても立派なものになりました。
12月には、窯の周りに石垣を積むのと土壁づくりに取り組みました。石垣は、レンガが熱膨張して、窯が壊れることのないように作りました。土壁は、レンガから空気に熱を逃がしにくくするために作りました。土壁は、学校の土を用いて、その中に久多の藁をつなぎとしていれています。石を運んで積み上げたり、土と藁を混ぜたりするのは、かなり筋肉を使ったので、とても大変でした。しかし、地域の資源を活かして、石垣と土壁をつくることができて、良かったです。土壁には、私たちの手形を残しました。
最後に、これからの活動の展望についてです。3学期には、窯に看板とキャプションを作ります。これまでの活動の様子をビデオで撮っているので、それを編集して、YouTubeチャンネルに投稿するつもりです。また、私たちの活動を後輩たちに引き継いで、「ご当地焼き物開発」が、地域の魅力発信の1つとして、これからも続いていくようにします。