わたしたち6年生は、葛川町居町の川原で採れる粘土を使った陶器づくりに挑戦しています。5年生のときに七輪で焼いた試作品は、砂や石などの不純物が多く半分くらい割れてしまいました。どうすれば割れない作品がつくれるのか知るために、その日に町居に寄って採取した粘土と5年生のときの失敗作をもって、久多に住んでおられる陶芸家の樂さんのお家をたずねました。町居の粘土にはねばりが少ないので、陶器を作るには工夫がいることを教えてもらいました。せっかくなので、樂さんの粘土でこね方や器の作り方を体験させてもらいました。いちばん衝撃だったのが、膝に粘土玉を打ちつけて「お皿」を作る方法でした。大昔、たくさんのお皿を作るときに使われた製法だそうです。
樂さんのお家で作った器を学校に持ち帰り、1ヶ月ほど教室で乾かしました。作品が大きく5年生のときのように七輪で焼けないので、自然の家の先生方にご協力をお願いして、レンガで窯を作って焼かせてもらいに行きました。薪で焼き物を作るには、かなりの火力が必要なために大量の薪が必要になるそうです。どこから薪を調達するか悩んでいたところ、地域の方がぼくたちの本気度を感じてくださり、薪を格安で分けてくださいました。一人ひとつの窯を作って焼きました。風向きだけでなく粘土の水分量や分厚さ、薪のコンディションによって焼きにかかる時間は変わるらしく、自然の家の先生から「粘土は生き物」と教わりました。
火力をあげるために1時間半ほどうちわであおぎ続けました。自然の家の先生方がドライヤーで応援に来てくださるほど、大きな作品を焼くのに奮闘しました。今年は梅雨が長く粘土が十分に乾ききっていなかったのか、残念ながらすべて割れてしまったけど、焼き終わったあとの粘土の色と音は、まさに焼き物そのものでした。たくさんの人に手にとってもらえるような陶器の商品にするにはまだまだ先は長いことがよく分かったので、これからも試行錯誤を続けたいと思います。冬になれば、もう一つ並行してすすめているメープルシロップづくりに着手できるので、そちらもどれだけ商品化に近づけるか楽しみです。